この記事では、認知症の母が一人で暮らしている実家に出るネズミの被害と、私達が行なった対策を紹介します。あわせて、実家の不要品処分(お人形の処分)の方法について紹介します。
この記事では、以下の情報を知りたい方の参考になると思います。
- 実家のネズミ対策にお困りの方
- ネズミの実際の被害を知りたい方
- 認知症の一人暮らしで起こりうるトラブルを知りたい方
- お人形(不要品)処分の具体的な方法を知りたい方
ネズミは家のあるじが認知症だと気づく?!
古い家にネズミが出るのはある意味しょうがないです。
昔の家の構造では、隙間がたくさんあるからです。また、子供たちが独立し、配偶者が他界し、一人暮らしになると人の気配が少なくなり、ネズミが住み着きやすくなると思われます。
作家の若竹佐子さんの2017年芥川賞受賞作「おらおらでひとりいぐも」にも、一人暮らしの主人公の家に、ネズミが出る話が書いてありますし。
ネズミたちが家の主が認知症だと気づき、だんだん図に乗って行動が大胆になってきたような気さえしました。
家族が実家に帰ってきた際には、ネズミの気配を感じて、対策をすることをおすすめします。たあさんの場合は、自分で殺鼠剤を置いたりしていましたが、認知症が進みだんだんと自分では対策をしなくなりました。その上、食べ物をそのままテーブルの上に放置して、寝たり、出かけたりすることが多くなり、ますます、ネズミがはびこるようになった気がします。
エスカレートするネズミの被害
たあさんの家で実際に発生したネズミの被害をシェアしたいと思います。これらの事例を知って頂き、対策に役立てて頂きたいです。
床下から畳をかじるネズミ
ある日、実家へ行って、仏壇に手を合わせてから、部屋を見渡すと、畳に穴があいていました。別の日には、同じ部屋の別の箇所にワラの断片の山が!
もうだれも使わないエレクトーンの足もと近くの畳にネズミが穴をあけたようです。すごいイグサ(=畳の材料)の山ができていて、ただただビックリしました。床下から穴をあけたようです。
掃除機でくずを吸い取り、床板に金網をうち付け、穴をふさぎました。

お雛様をかじるネズミ
B子が押し入れの中の不要品を整理していると、悲鳴が!
みてみると、なんと、お雛様のお人形のすべての鼻がネズミにかじられているではありませんか! かわいそうに!
けっこうコワい画像です。

お雛様を道具とともにいれてあった、段ボール製の箱の中は、ネズミの糞でいっぱいでした。中はネズミの巣と化していました。
お雛様の処分
「顔が命」のお雛様たちすべてのお人形の鼻がかじられてしまったので、処分することにしました。さすがのきれい好きのB子でも処分に躊躇していましたが、そこは、合理的な私が決断しました。
半紙と塩を用意し、お人形に塩をふってお清めし、お祈りしてから、半紙に包みました。それから新聞にくるみ、ビニール袋にいれて、燃えるゴミの日に出しました。他の道具類は直接新聞にくるみ、ゴミ袋にいれて捨てました。
豪華な八段飾りのお雛様だったので、お人形がたくさんありました。お清めするのも時間がかかりました。B子いわく、最後の方は、お料理の下ごしらえをするようにお塩をふっていた感じになりました。
ネズミに食われてしまったのですから、こういう処分もやむなしです
。長押(なげし)を通りみちとするネズミ
セルフリノベーションの記事でも触れましたが、和室の壁に沿って設置してある長押(なげし)という部材の裏は、ネズミの糞だらけでした。ネズミの通り道となっていました。
昔の家だと、そこにフックをかけてハンガーをつるして衣類を掛けたり、物干し竿をかけたり、先祖の遺影を掲げたりする場所です。
私達は、和室を洋室にDIYでリフォームしたので、その時に、長押も撤去しました。

カップ麺やお餅をかじるネズミ
カップ麺を放置していたら、なんと、容器を端からネズミがかじり、きれいに中の麺だけ食べていました。添付のソースは無傷。ネズミはこんなこともしてしまいます。
一見、発泡スチロール製の容器にはいっているので大丈夫そうですが、行動がエスカレートしているネズミの群れが住み着いてしまった場合には格好の餌食でしかないです。カップ麺の容器はたやすくかじられてしまいます。気をつけましょう。


当然、薄いビニール袋にはいったお餅などは、かじられ放題です。
食べ物を家具の下などへ引きずり込む
実家に帰って掃除機をかけていたB子がテレビ台の後ろをみると、なんと、そこにはチョコレートや放置したお菓子の残骸がこんもりと溜まっていました。糞とともに。ネズミのしわざです。
また、別の日には、たあさんが食べ残したフライドポテトがベットの下の隅に容器ごとありました。ネズミが引きずり込んで食べていたようです。なんとも大胆なネズミの行動です。
あれほど、食べ物を放置しないでとB子がたあさんに注意しても、相手は認知症患者さんなので覚えているはずもなく、、、

天井付近からネズミに見下ろされる
古い和室を洋室へとセルフリノベーションしていたときのことです。
土壁を取り壊し、断熱材をはめ込む作業をしていたら、視線を感じて上をみると、なんと隙間から小さなネズミがこちらを見ているではありませんか?ちょうど横に渡した細い木材にぶら下がるようにネズミ(おそらくハツカネズミ)がいて、私をじっと見ていました。しかし、私の視線に気づくとすぐに奥へと逃げていきました。私達の作業を上からずっと観察していたのかもしれません。これまでは古い開かずの間だったので、ネズミにとってはやりたい放題の部屋だったのかも。

ネズミ対策
私達がこれまでに実施した対策についてシェアしたいと思います。
最も効果が見えた粘着シート
近所のホームセンターに売っていたので買いました。要はゴキブリホイホイのネズミバーションですね。
設置場所は、以下のようなところです。
- 冷蔵庫の上
- 食器棚の上
- 洗濯機の下
- 下駄箱の下
やはり、ネズミの糞がある場所で、シートを広げられる所におきました。
特に冬は、冷蔵庫の周辺が暖かいのでそのあたりの取れ高はダントツでした。また、食器棚の上もよくかかりました。食器棚は冷蔵庫の隣においてあるので、一連のネズミの移動ルートだったのだと思います。
洗濯機の下や下駄箱の下は、隙間があるので、そこにも糞があり、まあまあかかりました。
粘着シートは、獲物が目視できるので効果が如実にわかります。が、ネズミを直視するのがこわい方はダメでしょう。

トラップ式にはネズミがかからなかった
A男がネットで探して、透明プラスチック製のトラップを買いました。しかし、このトラップには何も捕まりませんでした。クチコミをみると、手袋をして人間の匂いをつけないように設置するなど、かなりコツが必要なようです。トラップ自体もそれなりにサイズがあり、狭い隙間に置くのは無理でした。
電波発生装置は効果が不明
B子は、ネズミのいやがる音を出す装置を買ってきました。これを最もネズミが出現する台所におきました。こちらの効果は不明でした。装置をおいても粘着シートにネズミがかかっていたので、絶大な効果があったとはいえないです。
しかし、ネズミを直視するのが苦手な方にはいいと思います。
引き出しの中に樟脳
セルフリノベーションしてきれいになった洋室でしたが、そのうち、そこにもネズミがでるようになりました。奴らの行動がエスカレートして、たあさんの衣類などをいれるタンスの引き出しの中にもネズミが入っていました。でもこれは、たあさんがみかんやお菓子などの食べ物をタンスの引き出しにいれるようになったからかもしれません。
そこで、ネットで調べて昔ながらの衣類の防虫剤である樟脳(しょうのう)を入れてみました。キッチンペーパーで一つずつ包んで引き出しの中におきました。夏など室温があがるときは、湿布のようなニオイがしますが、ニオイがある間は、効果が持続していたように感じました。

長押を撤去
前述したように、和室に特有の「長押」という木の部材の裏側は、適度な空間があり、わが家ではネズミの格好の通り道になっていました。リフォーム工事の際に、撤去しました。
床下の隙間に網を設置
セルフリノベーションの際の床下の工事のときには、隣の部屋の境界部分の隙間というすきまには、極力金網を貼りました。床下からネズミの侵入を防ぐ目的です。

食べ物をプラスチック製ケースへいれる
たあさんは認知症なので、あまり徹底できませんが、家族が帰ってきたら、放置された食べ物は透明のプラスチック製ケースにいれるようにしました。これはある程度効果がありました。
家の外からみた隙間もふさぐ。
そのほか、家の外周からみて隙間がある場合には、金網など隙間をふさぐ。
まとめ
認知症の一人暮らしの母の家で実感したネズミの習性について以下にまとめました。
- 戸棚やタンスなど木製家具はかじられて中にネズミが入る恐れあり
- 冷蔵庫の後ろは常に温かいのでネズミが好む場所
- 足つき家具の下もネズミの通り道となる
- 長押の裏もネズミの通り道
- 認知症患者の一人暮らしだとネズミの行動が大胆になる
ネズミの被害にあわないために気をつけることをまとめました。
- お雛様はプラスチック製ケースにいれてネズミから保護
- 食べ物も透明プラスチック製ケースへいれる
- 小さな隙間は極力ふさぐ
- タンスの引き出しの中は昔ながらの樟脳が有効
- 粘着シートは置き場を工夫すればかなり有効
私達の経験したことが参考になれば幸いです。