作戦実行日
2019年1月某日、たあさんが長距離サイクリングにでかけて迷子になり、グーグルマップを頼りに捜索して無事に本人を発見してから数日が経ちました。くわしくはこちら↓
親戚のおじいさんのお通夜とお葬式は滞りなく終えることができ、家族一同ほっとしていました。が、まだ、たあさんの自転車の件が片付いていません。
お葬式の翌日、月曜日は、A男が有休をとっていたので、私と2人でさっそく自転車を探しにいくことにしました。
情報整理
自転車がある場所の手がかりについて、情報を整理します。
B子がたあさんと電話で話していた内容からわかることは
- 自転車をおいた場所の上には交通量の多い道路がある
- その道路は橋?
- 大きな照明がみえる
- 1台自転車がおいてあり、その隣においた
たあさんのグーグルマップタイムラインからわかることは
- 新利根川橋を茨城県方面に渡った際は「サイクリング」と記録されているが、橋の上にある歩道は、国道4号線と直接つながっておらず、一度、脇道におり合流する構造になっている。自転車に乗って国道4号線から橋には直接行けないような構造なので、タイムラインのサイクリングの軌跡には疑問がある。
- 携帯の基地局がまばらな場所のため、タイムラインの軌跡も不正確の可能性がある。
- たあさんが強引に自転車にのって車と同じようにそのまま橋に進入した可能性も否定できない。
- したがって、自転車は橋の埼玉県側にあるのか、茨城県側にあるのかは不明。
- 民家の敷地内に置いた可能性もある
準備物
自転車を分解する工具を持参
私の軽自動車には、たあさんの自転車をそのまま積み込むことはできません。なので、分解してから積み込むことになりました。車輪を外すための工具を車に積み込むことにしました。そのほか、ブルーシートも積み込みました。
戸籍謄本の写しを持参
放置自転車を回収していると防犯登録の持ち主と違うので、警察に質問されるかもよ、とA男が心配しました。なので念には念を入れて、たあさんとA男の親子関係を証明する戸籍謄本のコピーも持参することにしました。
自転車の鍵
B子がたあさんの持ち物からその自転車の鍵を確保してくれました。鍵を持っていることも、自転車の持ち主の関係者という証拠にもなりますしね。たあさんは、認知症になっても自転車に鍵をかけることは忘れていませんでした。
双眼鏡
広い河原や田んぼ周辺を捜索するのに、双眼鏡も持参しました。遠くの場所まで見渡せるので便利だからです。
自転車の探索
A男が運転し、私が助手席にのり、埼玉県の国道4号線を北上します。新利根川橋に近づいてきました。
たあさんが「1台自転車が置いてあったのでその隣においた」といっていたので、A男が「民家の庭先も見ておこう」と指示を出しました。そこで橋付近の民家も捜索候補地としていましたが、ちょっと道路から離れていて、たあさんが自転車を置くという感じの距離ではありませんでした。
あの日、直接たあさんと電話で話していたB子は、「あたしは埼玉県側にあると思うな」といっていました。
そこで、まずは埼玉県方面の橋の下側を探索することにしました。堤防脇に車を駐めて、A男は下流側、私は上流側を歩いて探してみました。が、見つかりませんでした。
私は次に河原から橋に上がり、歩いて茨城県方面に渡りました。新利根川橋の上は風が強く、昼間でもとても寒い状態でした。車だとあっという間に渡りきりますが、歩くと結構時間がかかります。
自転車を発見!
茨城県方面の新利根川橋の歩道も、途中から下の堤防におりるような構造になっていました。おりた場所が上流側だったので、まずそのあたりを探しました。手がかりが何もなかったので、橋の下をくぐり、下流側の草むらに移動しました。すると、、、
ありました!!!
冬枯れの草地の中に、エメラルドグリーンの自転車が横たわっていました。冬でよかった。夏で草が青々としていたら見つけにくかったかもしれません。
あたりは堤防の草むらや田んぼが広がっていました。鉄塔も見えます。
そして、その場所の上には新利根川橋があり、多くの車が行き交っていました↓。これは、たあさんの供述に一致する点でした。「上に大きな道路があり自転車はその下に置いてきた」と。
しかし、他に自転車がおいてある様子はなく、「一台置いてあるからその隣に置いた」という、たあさんのもう一つの供述は参考になりませんでした。
自転車を分解する
たあさんの自転車が見つかったことを、家族のLINEグループで連絡しました。すぐにA男が車をこちらにまわしてくれました。
自転車みつけました!!!
すごい!
さて、自転車を分解しなければ車には入りません。橋の下の人目につかないところで、風がよけられるところに自転車を運びました。A男は人目がつかないところで作業するとかえって怪しまれるよ。。と心配していました。でも、とくかく風が強く寒いので、車が止められて風がよけられる橋の下にいくしかありません。
パトロールカーに怪しまれる
車から工具を下ろし、さっそく自転車の前輪を外していると、堤防の道路をゆっくり走るパトロールカーがこちらに近寄ってくるのがみえました。利根川は一級河川で、国土交通省の管轄です。やっぱり、A男が心配したとおりになりました。ヤレヤレ。
前輪をとりはずして車に積み込む
もし通報されて警察がきても、たあさんとA男の親子関係を証明する書類も持参しているし、鍵はこちらが持っているし、自転車にはB子の連絡先が書いてあるし、大丈夫でしょう。ということで、とりあえず、早く分解して自転車を積み込もうと、私はA男をせかしました。
A男が前輪を取り外し、ブルーシートで養生して自転車を車に無事に積み込むことができました。助手席を倒して乗せ、私は後部座席に座りました。
そして、すぐにその場を離れました。特にその後警察が来ることはありませんでした。ホっ。
遅いランチ休憩
寒空の中の捜索と、分解作業が無事におわったので、やっと昼食をとることにしました。来る途中にみえたファミレスにはいることにしました。北関東では有名な味噌煮込みうどんのお店「ばんどう太郎」です。私は定番の味噌煮込みうどん、A男は辛い味噌煮込みうどんを頼みました。温かい味噌煮込みうどんは冷えた身体に最高でした。
たあさんに自転車を引渡
十分休憩した後、たあさんの自宅へいき、自転車を元通りに戻して、引渡しました。A男はその自転車に油をさして整備もしてくれていました。さすが!
たあさんは何がおこっていたのかは、わかっていませんでしたが、自転車が戻り、A男がきてくれたので、うれしそうでした。
それからたあさんの家で預かってもらっていた、親戚のおじいさんのお骨と遺影、位牌を引き取りました。
たあさんに、お葬式の翌日だったこともあり、疲れているか聞いたところ、まったく疲れはないよ、元気とのことでした。
記憶がないと疲労も感じないのか、、、
ということで、たあさんの自転車は、今回も無事に見つけることができました。めでたし、めでたし。